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川棚温泉とともに歩んできた老舗菓子店

川棚エリア

三春堂

川棚温泉の通り沿いには、明治38年創業の老舗菓子店「三春堂」があります。
温泉まんじゅうを原点に、時代の流れとともに少しずつ菓子のかたちを変えながら、地元の人や観光客の両方に親しまれてきました。
現在、お店を切り盛りしているのは、四代目店主の渡邉謙一郎さんです。
「老舗だから守る」のではなく、「この場所で菓子屋を続ける意味」を大切にしながら、日々お菓子づくりに向き合っています。

受け継がれてきた味と、変えなかったこと。
三春堂が長く続いてきた理由は、お客さんとの信頼関係にあります。
味の方向性や基本の配合は、創業当時から大きく変えていません。
「昔食べた味を、今も懐かしいと言ってもらえること」。
それが、代々守り続けてきた一番の価値だといいます。

現在の三春堂を代表する二つの菓子は、川棚まんじゅうと瓦シューです。
川棚温泉まんじゅうは、焼き色が縁につかない独特の仕上がりが特徴です。
専用の型を用い、見た目の美しさを大事にしながら、丁寧に焼き上げられています。
餡には小豆ではなく「うずら豆」を使い、やさしい甘さで世代を問わず親しまれてきました。

一方、瓦シューは約15年前に誕生した比較的新しい菓子です。
「川棚といえば瓦そば。その“瓦”を菓子で表現できないか」——。
そんな発想から生まれた瓦シューは、香ばしく焼き上げたパイ生地と、卵のコクを活かしたカスタードが特徴です。
今では川棚温泉を訪れる人に欠かせない存在となっています。
卵は用途によって使い分け、甘さも時代に合わせて少しずつ調整しています。
「売るためだけでなく、食べた先に笑顔があるかどうか」。
その想いこそが、二つの看板菓子に共通する三春堂の軸です。

川棚温泉は、華やかさよりも素朴さが魅力の温泉地です。
「無理に都会的にしなくていい。このままでいい」。
店主が語るこの言葉は、何も変えないという意味ではありません。

2026年春には、三春堂のすぐ隣に洋菓子とカフェスペースを併設した新店舗が誕生予定です。
それは、川棚温泉を都会的に変えるためではなく、この場所の空気感を大切にしながら、表現の幅を少し広げるための挑戦です。
変えるのは“かたち”、変えないのは“川棚らしさ”と“人との距離感”。
世代をつなぎながら、三春堂はこれからも川棚温泉とともに歩み続けていきます。

三春堂の屋号「三春堂」は、もともと福岡・博多の渡辺通りにあった、かるかん饅頭で有名な菓子店「三春堂(みはるどう)」に由来すると伝えられています。 創業者・渡邉音五郎が店名を決める際、その読みを現在の「さんしゅんどう」とし、「三つの春が巡って来るように、幸せや良いことが何度も訪れますように」という願いを込めて名付けたとされています。 実際、明治40年5月15日付の地方紙広告には「御菓子 豊浦郡川棚村湯町 渡邉商店」との記載が確認されており、その後、現在の場所に店舗を移し、屋号を「三春堂」としたことが資料で裏付けられています。 名前に込められた想いは、四代にわたって受け継がれ、今も川棚温泉のまちで息づいている—— それもまた、三春堂の魅力のひとつです。

インフォメーション

三春堂

下関市豊浦町大字川棚5134
8:30〜19:00
火曜日定休
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