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池田一輝(いけだ かずき)さん

下関市地域おこし協力隊

家具メーカーでの勤務を経て、現在、下関市地域おこし協力隊員として活動する池田さん。額縁製作と写真撮影、コーヒー焙煎という三つの顔に加え、新たに判明するもう一つの顔とは。多才かつアーティスティックな池田さんの豊浦に対する思いと、その思いを実現するための活動についてご紹介します。

池田さんは、無垢材や古い家具からの廃材を利用したオーダーメイドの額縁を製作して販売するブランド「Hello, Goodbye Frames」を本業としながら、下関市地域おこし協力隊として日々活動しています。

京都府出身の池田さんは、祖父様が家具職人だった影響からか、子どものころからものづくりが大好き。アニメキャラのプラモデルや飛行機の模型作りにハマっていたそうです。そんな環境で育った池田さんが家具メーカーに就職したのは、必然だったのかもしれません。
5年間のサラリーマン生活を経て独立した池田さんは、個人事業主として、額縁の製作と、もともと得意にしていた写真の撮影を仕事にしていました。その後、2023年4月に下関の知人を通じて地域おこし協力隊の存在を知り応募。同年8月に着任しました。

メインの仕事である額縁の製作では、常に新しい形を模索する池田さん。「例えば、一輪挿しを組み込んだ額縁など、従来の概念にはない、新しい作品を考えています。市産木を使った地域産品や、自身が撮影した写真と額縁をセットにした商品、自身で焙煎したコーヒーをセットにした商品も検討中です」と語ります。

池田さんの3つ目の仕事は、コーヒーの焙煎。もともとコーヒー好きで、自分で焙煎したいと始めたのが2023年11月。お店の中は、池田さんの煎れるコーヒーの芳純な香りが漂います。額縁の認知度を上げるための入口として始めたのがきっかけですが、今では心を無にすることができる、池田さんにとってなくてはならない活動の一つになっているのだそうです。

そんなコーヒー好きが高じて、池田さんが参画したプロジェクトがあります。それは、小串の海岸にある閉店したカフェを再生し、新たなカフェをオープンさせるというものでした。空き店舗の有効活用という地域再生プロジェクトでもあり、また、自身のスキルと地域活性化を両立できるこのプロジェクト。池田さんは、地域おこし協力隊として、その立ち上げ当初から積極的に関わりました。

「うみはた」と名付けられた新たなカフェは、2024年7月21日にオープン。池田さんは、その焙煎技術を活かし、朝コーヒーの提供を担当することになり、お店を訪れる地元の方や観光客が交流するふれあいの機会を創造しています。「豊浦の地域特性を活かした、ここだからこそできる活動していきたい」という展望を、池田さんは、このプロジェクトで早速実現した形となりました。

豊浦での定住を決意し、家も購入したという池田さん。「この田舎具合がちょうどいいと感じています。都会過ぎず、かといって不便さもない。福岡からも日帰りで行き来できる距離感がいいし、地元の方たちとの交流も心地よく感じています」とのことでした。

近年、作家や画家、染色職人の方など、ものづくりに取り組む人たちが多く集まってきている豊浦。「豊浦には、作家同士のつながりを容易に、そして密にできる環境があります。ここなら仕事の依頼も含めて良好な人間関係を築きやすく、今では互いに連携して活動をしています。これから豊浦に来て創作活動をする人や、それを求めて訪れる人が増えて、地域が盛り上がっていくことを望んでいます」と、熱い思いを語ってくれました。

最後に、もう一つの顔をご紹介します。それは、下関市内の東亜大学でデザインを教える講師という顔。なんて多才、なんてアーティスティック。筆者は、そんな池田さんのセンスに惚れ込み、最近買い漁っているアナログレコードを飾るための額縁を購入しました。みなさんのおうちにも、お一ついかがですか?

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