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和田秀忠(わだひでただ)さん

朝市グループ「フレッシュ湯玉」代表  

“海の男”に憧れ、定年退職後に夢を実現。
朝市グループ「フレッシュ湯玉」を率いて、地域活性化のために日夜奔走する山口県漁業協同組合湯玉支店の和田秀忠さんをご紹介します。

山口県漁業協同組合湯玉支店に勤務する和田さんは、平成25年の定年退職後、下関市豊浦町宇賀の湯玉で一本釣り漁師になりました。

祖父が漁師だったことで、漁業は身近な存在。
漁師は、子どものころからの憧れでもありました。
一般企業に就職した後も、「いつかは漁業をしたい」と考えていた和田さんは、会社員時代からレジャーボートを所有。
根っからの“海の男”だったのです。

和田さんの住む湯玉は、下関市豊浦町の北側に位置する、響灘に面した自然豊かな漁師町。
現在は、岸に近い海を漁場に、海底のアワビやサザエ、ウニなどを道具や素手で獲る採介藻(さいかいそう)漁業や一本釣り漁業が盛んです。
また、湯玉は大敷網(水深27mより深い海に設置する大型の定置網。)発祥の地ともいわれ、宇賀漁港の山裾には「日本大敷網漁業発祥の地」の碑が今も建っています。

そんな湯玉は、かつて、定置網漁業と活魚朝市が盛んでした。
しかし、和田さんが漁業を始めた平成26年には、定置網漁業を営む漁師はすでにおらず、活魚朝市も開かれなくなっていたそうです。

子どものころ、若いころと、にぎやかな活魚朝市が身近にあった和田さんは、「湯玉に押し寄せる人口減少と少子高齢化の波に危機感を覚え、地域活性化のために活魚朝市を復活させ、湯玉ににぎわいを取り戻したいと考えるようになった」と言います。
保健機関や地元関係者をあたり、平成26年6月に見事、活魚朝市を復活させました。

当初は、盛況で順調な滑り出しでした。
通称「胴丸」と呼ばれる円筒形の網を沈めて魚を活かしていたのですが、水温上昇の影響を受けるこの方法では、魚をうまく活かすことができなくなり、品数の確保が困難に。
活魚朝市は、休止を余儀なくされました。

そんな状況の中、「なんとかもう一度、活魚朝市を復活させよう」と、新たなメンバーを加えて朝市グループ「フレッシュ湯玉」を結成。
県の支援事業を活用して冷蔵施設を整備したほか、「胴丸」より潮通しの良い「畜養いかだ」を活用するという新たな畜養手法で安定的な供給体制を構築し、平成31年、再び活魚朝市を復活させました。
和田さんと「フレッシュ湯玉」メンバーの執念が実った瞬間でした。

人口減少と少子高齢化は避けて通れない現実ですし、活魚朝市もコロナ禍で中止したり、その後客足が戻らなかったりといった困難もあったそうですが、品数の拡充に向けた努力などにより、客数と客単価の向上を実現。
和田さんと「フレッシュ湯玉」は、大型魚のブロック販売を買いやすくする工夫をしたり、お客様の意見・要望をアンケートで掴むなどして客足の回復を図ったり、湯玉以外での試験的な販売で活魚朝市をPRしたりと、常に新しいチャレンジを続けています。

そんな取組が評価され、2024年1月、第70回山口県漁村青壮年助成活動実績発表大会で「フレッシュ湯玉の挑戦~朝市活性化の取組~」というテーマのプレゼンテーションを行いました。
もちろんスピーカーは、和田さん。

筆者は、残念ながらプレゼンを拝見していないのですが、朝市について話される取材時の和田さんは生気に満ち、「きっとプレゼンでもそうだったのだろうな!」と想像できたのでした。
「フレッシュ湯玉」の活魚朝市は、毎年4月から12月までの第2・第4日曜日に開催されています。

インフォメーション

日本大敷網漁業発祥の地

下関市豊浦町宇賀湯玉
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