土橋 彰次(つちはし あきつぐ)さん
「革創作工房 TSU-CHEY」オーナー
革で遊んでいる人、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、動物園拡大の野望……。
「TSU-CHEY」(ツッチー)こと土橋さんを語る時、たくさんのキーワードが現れます。
革好き・動物好きなら、ぜひ訪れるべき「革創作工房 TSU-CHEY」のオーナー、土橋さんのお仕事と暮らしに迫りました。
川棚温泉街から北へ車で約5分、そこに「革創作工房 TSU-CHEY」はあります。
ヤギやアヒル、モルモットたちがいる小径。
その先に建つアメリカンテイストな外観のお店の奥が、「TSU-CHEY」こと土橋さんの作業場です。
ユニークなアイデアでオリジナリティ溢れる革製品を生み出す姿は、まさに職人。
(ご自身は、「職人ではなく、ただ革で遊んでる人」とおっしゃいますが。)
京都市のご出身で、幼いころから“もの作り”が得意。
手先が器用な土橋少年は、昔懐かしい学習雑誌の付録に工夫を加え、いたずらグッズを生み出していたそうです。
そんな趣味が高じて、中学校の美術教師となった土橋さん。
カリキュラムに沿って絵画や彫刻も教える中で、やはり好きだったのは、工作だったそうです。
教えるにあたっては、「“面白い”と思わせたら勝ち。“作ったら終わり”ではなく、“作ったものをどう生かすか”を考えさせていた」とのこと。
京都にお住まいのころから、趣味で革製品を創作していた土橋さんでしたが、もともとキャンプも好きで、「いつか、田舎暮らしがしたい! 自然の中で生活したい!」と感じていたのだそう。
その願望を叶えるため、奥様のお祖父様が暮らした下関市豊浦町川棚へ移住されました。
大好きな革創作と、憧れの田舎暮らしを前に、教師の職を辞すことに迷いはなかったそうです。
2016年、「革創作工房 TSU-CHEY」を開業。
- 良質な素材を使い、丁寧な仕事をすること。-
- お客様が求める本質的な部分を感じ取り、作品にすること。-
- 質がよく面白い革製品を創作し、それを購入したお客様に喜んでもらうこと。-
- そして、自分自身も楽しく仕事をすること。-
お仕事へのこだわりを、そう語ってくれました。
「これまで創った中で一番の自信作は?」との問いには、「1つは選べない。作品は全て自信作。でも、メディアからよくされる質問だから、何か選んでおいた方がいいかなぁ」と、お茶目な一面も見せてくれます。
敷地内で開催する教室では、アシスタントのharuさんが講師となって、幅広い年齢層の生徒さんに革創作の面白さ、楽しさ、難しさを伝えています。
出張ワークショップは、土橋さん自身が出向いて教えています。
詳しくは、「革創作工房TSU-CHEY」のホームページやInstagramでご確認ください。
土橋さんについて語るネタ、まだまだたくさんあるんです。
まずは、アメリカンテイストの店内。
50年代の古き良きアメリカが大好きな土橋さんの趣味が反映されているわけですが、そのきっかけは、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。
主人公のマーティ(マイケル・J・フォックス)が最後に演奏する「Johnny B. Goode」に衝撃を受けたのだそう。
飲料メーカーの空き瓶や木箱などが配置されて、まさにアメリカン。
そして、何と言っても動物たち。
ヤギ、ミニブタ、アヒル、ニワトリ、モルモットなどなど……。
見学は無料で、動物を見るために訪れる人もいらっしゃるとのこと。
土橋さんは、「もっと種類を増やしたい」という野望をお持ちのようです。
広々とした今の敷地なら、その野望は、どんどん叶っていきますね。
そんな土橋さんに「最近、キャンプに行ってますか?」とお聞きしたところ、「豊浦に来てからは、全然行ってない。なぜなら、この環境の毎日がキャンプみたいなものだから」と。
“田舎の住み良さと、都会の便利さが合わさったような豊浦”での暮らしを楽しんでおられる土橋さん。
窮屈な日常を送っている筆者には、羨ましく、そして、カッコよく見えました。