香原 優(こうはら ゆう)さん
「川棚温泉まちづくり株式会社」主任
生まれ故郷の山口市から下関市豊浦町川棚へ移住してきた香原さん。
「川棚の地で継承されてきた文化・芸術の歴史を多くの人たちに伝え、後世に引き継いでいきたい」。
そんな熱い思いを語ってくれました。
文化的・芸術的なイベントを企画することは、香原さんにとって天職なのかもしれません。
「この下関市豊浦町川棚で、地域の皆様に愛していただける“川棚の杜”にするために、深みのある企画を作り続けていきたい」。
香原さんは、現在のお仕事について、そう語ってくれました。
お母様に連れられてギャラリーや美術館に通い、お父様はコンサートイベントのお仕事をされていた、そんなご家庭で育った香原さんは、「アーティスティックなモノやコトが、幼いころから常に身近にあった」と言います。
そんな香原さんは、高校生のとき、合唱部に所属。
出演者として合唱に加わる傍ら、演奏会や文化祭などの企画や裏方の仕事にも積極的に関わり、いつしか「こんな仕事をしていきたい」と思うようになったそうです。
高校卒業後は、静岡県浜松市の大学に進学してアートマネジメントや文化政策を学び、その後、島根県松江市の公立ホールに約5年勤め、演奏会や舞台作品の企画、運営、制作等の経験を積みました。
以前から「地元の山口県で地域の力になりたい」と考えていた香原さんは、「下関市川棚温泉交流センター(川棚の杜)」の社員募集がきっかけで川棚の魅力に触れ、「川棚の地域づくりにビジョンと熱意をお持ちの方々と出会い、ここに来たい、ここで働きたい」と思ったそうです。
時に、2023年1月のことでした。
香原さんは、「市民の皆様の生き甲斐になるような活動のお手伝いができること、文化・芸術関連のイベントに携わることで、これまで受け継がれてきた歴史の一部に触れる、なれるという意識を持てることが、今の仕事の喜び」と語ってくれました。
文化・芸術とは、先人たちが連綿と受け継いできた歴史の一幕です。
このインタビューで、それらを未来へ引き継いでいくことの大切さ、そして、その使命感を、香原さんの言葉の一つひとつから感じ取ることができました。
やはり、豊かな自然が身近にあることを魅力に感じておられるようです。
そして、「温泉地として様々なお客様を迎え入れてきた川棚の歴史。それによって育まれた地域の方々のホスピタリティ(おもてなしの心)が、心地よい距離感の源泉なのでしょう」と分析。
さすが、深いです。
「今後望むこととして、観光客と地元住民が気楽に触れ合える、心地よい空間があるといいなと思う」とも。
「下関市川棚温泉交流センター(川棚の杜)」をそんな空間の一つにするには、香原さんの活躍が不可欠ですし、香原さんならきっと実現してくれるのだろうと感じた筆者でした。
ちなみに、香原さんは、現在も山口市を拠点とする「合唱団そうなそ」に所属。
2023年には、東京国際合唱コンクール室内合唱部門で金賞1位を獲得するなど、精力的に活動されています。